フィギュアスケート

フィギュアスケートについて自由に書いてます

GPF〜男子FS〜

さて今回は激闘の男子FSについてです。SPに比べて書くこと多いので長くなりますがお付き合いください笑



1位 ネイサン・チェン(アメリカ)

4F+3T 4Lz 4T+1Eu+3S 3A /4S 4T 3Lz+3T


いやー、度肝を抜かれる演技でしたね。ミスる気配が全くありませんでした。

ジャンプはどれもかなりいい質で降りました。最初の3本のジャンプだけで53点も稼いでいます。4Tからのコンビネーションのサードは3Fの予定でしたがファーストの着氷が少し詰まったので急遽3Sに変更しました。あの一瞬で判断してしかも成功させるって化け物かよ🤪

今季はGOE満点常連のコレオシークエンスでしたが今日は流石に5クワドにしたことで疲れが出たのかいつもよりスピード感が少しなかったのと、途中一瞬微妙につまづく場面がありました。それでもほぼ満点近くのGOEがでています。常人にはあんだけ4回転跳んだ後に全力ダンスなんて体力的に無理です笑

平昌の頃まではスピンそんなにかなと思っていましたがかなり上手くなりましたね。こういう細かいところでGOEを稼ぐのも高得点を出すのには必須です。


点数は自信の持つ世界記録を大きく更新する224.92でPCSは全項目で羽生を上回りました。昨季からルール変更でFSのジャンプが8本から7本に減りました。8本時代の世界最高記録は羽生の223.20です。各要素の得点可能限界値が少し上がったとはいえジャンプ1本減ってるわけですからとんでもないことです。合計も旧ルールで羽生が持っていた330.43を上回る335.30を叩きだしました。この2つの記録は一生更新されると思ってなかったのでビックリです😳

世界最強のイェール大生ここに爆誕



2位 羽生結弦(日本)

4Lo 4Lz 3Lz 4T /4T+1Eu+3F< 4T+3T 1A


当日の練習から4A練習したりと暴れ回っていた羽生先生は当初の予定を変えてクワド5本構成にしてきました。

ここ2シーズン危うい着氷ばかりだった4Loは素晴らしい出来で決めてきました。平昌直前の怪我の原因にもなった4Lzも今回は綺麗に着氷しましたね。あの怪我を知ってる身としては着氷するまでハラハラしてしまいました😅

4Tからの3連はサードのフリップが回転不足かつステップアウトになってしまいました。最後に予定していた3A+3A+SEQも1Aになってしまう痛いミス。流石に体力がもたなかったか😥

演技後はリンク上に倒れ込むほどギリギリだった様子。こんなにギリギリな羽生を見たのは2014年の世界選手権のFS以来ですかね。

クワド5本に増やしたことでプログラム全体の質としては少し落ちてしまいましたがそれでも素晴らしい内容でしたね。これがパーフェクトに決まればネイサンを越える銀河点を出せるはずです。


点数は194.00。全体を見ると十分なハイスコアではありますがネイサンと戦うとなるとやはり220前半は欲しいところ。世界選手権での逆襲に期待です。



3位 ケビン・エイモズ(フランス)

4T+3T 4T< 3A+2T 3Lo /3A 3Lz+1Eu+3S< 3F


この大舞台でよくやり切りました。

2本目の4Tは着氷した瞬間大丈夫かと思いましたがコケてしまいました😅

予定構成の基礎点自体は全体の中で1番低かったのですが、質でひっくり返してしまいまうという…。抜けがないこととGOEってやっぱり大事。

エイモズは体全体を使ったムーブメントがとても上手いですね。なんだその動き!?みたいなのもあって非常に個性的です。あと音楽表現も他選手と違ったものを持っていて、観ている側としてはとても興奮するプログラムでした。スピンでもう少し加点を貰えるようになるともう1ランク上へ行けます。


点数は178.92。点数出た瞬間子供のようなリアクションで驚き、そして大泣き笑

この可愛らしさと人間らしさがエイモズが人気である所以の1つですね。

PCSも90点目前となりました。今回少しミスしたところを修正してくれば92は望めると思います。

ユーロ王者目指して頑張れ!💪



4位 アレクサンドラ・サマリン(ロシア)

4Lz+3T 4F 2T 3A+2T /3A+2T* 3Lz 3Lo


SPで決まらなかった4Lz+3Tを今回は決めてきました。続く4Fは大きく着氷が乱れました。その後の4Tを予定していたのが抜けて2Tになってしまったのは非常に痛いミスでしたね。

後半のコンビネーションのセカンドの2Tはザヤックルールにより無得点になってしまいました。3Tつけれてたら大丈夫だったんですけどねぇ…。

やはり課題は体力ですね。最後までもたないので後半はかなり物足りない印象になってしまいます。プログラムを1度でもいいのでキチッとまとめきって欲しいです。でないとジャッジの印象もよくならないのでPCSもなかなか上がりません。

非常に大きなジャンプは武器ですが、それをコントロールしきる能力が足りないのでそれを身につければ一気に上位争いに食いこんでくる選手かと。


点数は167.51。思ったよりも出たなという印象。現状世界選手権代表は大丈夫だと思っていいですが、コリヤダが復帰したりサムソノフがシニアに上がってくる頃を考えると北京オリンピックまで安心できません。


5位 ボーヤン・ジン(中国)

4Lz 4T+2T 4T 3A+1Eu+3S /3A 3Lz+3T 3F


4Lzと単独4Tで転倒がありました。

男子の4回転時代を押し進めたのは間違いなくこの選手ですがなかなか安定しませんね😥

爆発力はかなりあるので世界選手権にピークを持ってこれるかどうか。

ステップ・スピン・コレオのいずれもGOEを稼げていません。ここ最近のボーヤンは以前のような自信が見られません。昔から応援してる選手だけになんとかスランプから抜け出して欲しいところです。TRの少なさは未だに課題ですがとりあえずは安定が優先ですね。


点数は160.77。PCSは77点台と厳しい評価を受けました。地元開催のオリンピックに向けてここからどう這い上がってくるか長い目で見てあげるしかできませんね。国内にハン・ヤン以外の有力な対抗馬はいないので北京までにピークを持ってこれるかどうか。



6位 ドミトリー・アリエフ(ロシア)

4Lz 4T 2T 3F /3A< 3Lz+3T 3Lo+1Eu+3S<


4T・3F・3Aでの転倒に加えもう1本の4Tは2Tになってしまうという大失点😨

ここまで大きなミスをたくさんしてしまうと心配になってしまいます。アリエフも体力問題なんとかしないとですね。スピンもボロボロで観てる側も辛くなってしまいました。

ロシア男子はなぜこうも安定しないのか😇

アリエフはジュニアの頃から見ていたのですが、当時「この選手は将来トップ争いに入ってくるだろうな」と思っていたので、ここ2年の低迷具合は残念です😂


点数は131.26。ナショナルまでになんとか調子を取り戻さないと若手のイグナトフやベテランのボロノフに代表を奪われてしまう可能性大です。ここで踏ん張れるかどうかでオリンピックに向けての状況も大きく変わりそうです。



終結

1位 ネイサン・チェン(アメリカ) 335.30

2位 羽生結弦(日本) 291.43

3位 ケビン・エイモズ(フランス) 275.63

4位 アレクサンドラ・サマリン(ロシア) 248.83

5位 ボーヤン・ジン(中国) 241.44

6位 ドミトリー・アリエフ(ロシア)220.04


もう完全にネイサンVS羽生、あとそれ以外という構図になってしまいましたね。上位2人の争いに食い込めるのは復調した宇野昌磨と今季休養のヴィンセント・ジョウぐらいでしょうか。

ネイサンも化け物ですが、シニアに上がって10年間ほぼずっとトップにいる羽生もやばいですね。

今季の世界選手権の1位2位はネイサンと羽生で争うことは間違いないですが、3位以下はその時の調子次第でどうなるか全く読めません。北京までに高評価を貰うには今季と来季である程度の順位を取っておく必要があるので残りの選手たちも一切気を抜けません。

ここまで見てきて思ったのは、やはりネイサン・羽生・宇野の基礎力の高さです。ここに関しては他の選手達と圧倒的な差があります。スケーティングスキルにしても体力にしても表現にしても基礎は大事で明らかに差が見えてしまいますからね。

世界選手権では沢山の選手の良い演技が見れることを期待します。