フィギュアスケート

フィギュアスケートについて自由に書いてます

GPF〜女子FS〜

GPFシニアシングルも今回でラストとなります。さてお楽しみの女子FS見ていきましょう。



1位 アンナ・シェルバコワ(ロシア)

4Lz+3T 4F 2A 4Lz< /3Lz+3Lo 3F+1Eu+3S 3Lz


4Fで転倒、2本目の4Lzがアンダーローテでしたがそれ以外はしっかり綺麗に降りてきました。個人的に2本目の4Lzはギリ回転セーフかなと思いましたけど厳しく見られましたね。

女子でクワド3本ですよ、とんでもない時代になりました。昨季は国内大会でしか成功がなかった4Lzでしたが今季はかなり安定していますね。しかもジャンプの入りも工夫があり男子並みの質で跳んでいます。

今回初の実践投入の4Fは回転は足りていたのであとは上手く着氷できれば高い加点が貰えると思います。

後半のボーナスがつくジャンプもかなり難度の高いものを揃えています。

4回転に次ぐ目玉は衣装チェンジですね。クルクルと回りながら青い衣装から赤い衣装に。グノシエンヌから火の鳥に曲が変わるのでそれを表したエンターテインメントです笑

ドヤ顔で衣装チェンジ可愛い😆

シェルバコワのスケーティングスピードめちゃくちゃはやいですね。特に4Lzの侵入速度なんか恐ろしい速さです。スピードを上手く高さに変える能力の高さがうかがえます。

昨季までキャメルスピンに不安があった彼女ですが、今季はあまりブレることなく綺麗に回っていますね。ジャンプだけでなく全体的な質をシニアに上がるに向けて改善してしまうなんて普通できないです笑


点数は162.65で自己ベストを更新しました。PCSも70点目前です。今回ミスがあった4Fと4Lzが決まれば175ぐらいは多分余裕で出せます。もう意味が分からん😇



2位 アリョーナ・コストルナヤ(ロシア)

3A+2T 3A 2A 3Lo /3F+3T 3F+1Eu+3S 3Lz


ニュースで「4回転はないですが…」と紹介されがちな彼女ですが普通の女子は4回転無いのが当たり前ですから笑

1本目の3Aは回転微妙でしたが回転不足とられずに済みました。他の要素は全てで高い加点を得ています。3F+3Tの幅と高さは歴代でもトップクラスです。

コストルナヤはどのジャンプでも入りと出の工夫がかなりされていますね。難しいことをやっているのにあっさりとこなしてしまうあたり流石だなと。

彼女の強みはやはり圧倒的トータルパッケージですね。どこを見ても隙がないです。強いて言うなら編曲が変なとこぐらいですかね笑

これまでのプログラムは美しさを全面に押し出したものが多かったですが、このプログラムは素のコストルナヤが持つ活発さが見られます。後半の彼女の表情からも分かりますがとても楽しそうに滑っています。一見クールビューティーなコストルナヤですが、素はおてんばで元気がいいのでギャップがすさまじい笑


点数は162.14と4回転持ちのシェルバコワと僅差につけました。合計得点はトゥルソワが持つ世界記録を更新してしまいましたね。シェルバコワやトゥルソワが4回転に取り組んだ要因の一つにコストルナヤがあると筆者は思っています。同じ構成では勝つことはほぼ不可能だと分かっているので4回転が必然的に必要になってしまいます。

現に昨季のJGPFでは3Aすら装備せずに2人を抑えて優勝してしまいましたからね。彼女なくして2人の技術的成長はなかったと思います。

しかし4回転の精度をあげられてしまうと途端に少し厳しくなってしまいます。どれだけ頑張っても4回転の点数は強いですから。北京までに1本でも習得できれば代表争いに有利に働きそうなので頑張って欲しいところです。



3位アレクサンドラ・トゥルソワ(ロシア)

4F 2S 4Lz 2A+3T /4T+1Eu+3S 4T< 3Lz+3T


恐ロシアを体現するクワドモンスター。女子初の4F成功を1発目で持っていきました😳

シェルバコワの3クワドもおかしいですがトゥルソワは5クワドの予定構成でした。男子でも羽生とネイサンしか取り組んでいない鬼構成です。

4Sが2Sに抜けてしまったのと単独4Tが転倒になってしまいましたが残り3本のクワドはいい質で降りてきました。今季圧倒的な安定感があった4Tで転倒とは珍しいです。なんなら今季初?4Sは今季1回しか決まってないので3Aが安定してきたら入れ替えてくるでしょう。そしたら2A+3Tが3F+3Tに変わるかな。3Fぐらいまでならほぼ助走なくても跳べてしまうのでこんだけ4回転詰め込んでも時間内に収まってしまいます。

流石にここまでクワドを詰め込むとどうしても滑って跳んで感が否めませんね。もちろんトランジションは組み込んではいますが振り付けらしい振り付けがあまり見られません。まぁ技術点でタコ殴りできるので問題ないのですが…笑

彼女の身体能力の高さは歴代最強の伊藤みどりに次ぐレベルです。特にバネの強さはえげつないです。4回転の高さは男子トップ層とほとんど変わらないように見えます。

これに表現力がついてしまったらもう誰も勝てませんね。


点数は161.73。昨季までならありえないほどのハイスコアですが今季は当たり前になってしまったという笑

ノーミスなら180は確実に越えてきます。もう男子で出て😂

SPが4回転禁止のお陰で独壇場を防いでいます。



4位 紀平梨花(日本)

4S 3A<+2T 3F 3A /3F+3T 2A+1Eu+3S 3Lo


4S実戦初投入でしたが惜しくも転倒となってしまいました。回転自体は足りているので決まれば大きな得点になります。1本目の3Aは回転不足をとられました。

全体的に加点を伸ばしきれなかったですね。怪我から来るものもあると思いますが、本来の彼女ならコストルナヤまでには及ばないものの高い質で全要素をこなせるのが強みです。

世界の宗教をテーマにした難解な曲ですが見事に表現しきっています。これを表現できる選手は過去に遡っても片手で数える程しかいないでしょう。

4Sや3Aなどの大技がありながらもあくまでプログラム表現の一環として昇華できる類まれな才能の持ち主で、女版羽生と言われる所以がそこにあります。

個人的にはPCSをかなり高くつけてあげたい選手でもありますね。ただジャンプの出の工夫がロシア勢に比べ劣るのでそこの取り組みが必要になってくるでしょう。


点数は145.76。本人にとってはロースコアですが怪我も治っていないのでさほど気にする必要はありません。怪我が治ってルッツが戻ってくれば165~170は目指せる選手なので世界選手権までに治してもらいたいです🙏🏻

北京までに4Sと3A2本ずつの構成を目指しているようですが、それが可能になれば金メダル争いに確実に食い込んできます。



5位 ブレイディ・テネル(アメリカ)

3Lz+3T 2A 3S 2A /3Lz+3T< 3F<+2T+2Lo 3Lo


GPF開催前から「唯一の人間代表」と言われていたテネルさん笑

他の選手の構成がおかしすぎる😂

前半のジャンプは非常に良かったです。後半のコンビネーションの3Tと3Fが回転不足をとられてしまいました。彼女は足をピシッと伸ばして降りてくるのと他選手ほど回転速度が早くないのでどうしても回転不足になりがちです。しかし上手く決まれば高い加点を貰えるので回転不足をなくせばかなり強い選手です。

テネルはスピンが上手いですね。音楽に合った表現の1つとして使いこなせています。

長身なので見映えもいいですし衣装も大人っぽいのがとても似合います。そこを活かしてPCSを上げていければコストナーのようになれるのですが、そこを目指すにはもう少し表現の面で成長が必要ですね。今大会で最年長と言えどもまだ21歳なのでここからどんどん伸びていくでしょう。


点数は138.98。150は出せる選手なので世界選手権はメダルは厳しくても入賞は確実に近いと言っていいでしょう。

近年成績が少し落ちていたアメリカ女子にとってテネルや今回ファイナル出場を逃したものの好調を維持しているマライア・ベル、JGPF2位のアリサ・リウの台頭は大きな希望です。北京までに3枠取り戻して欲しいですね。



6位 アリーナ・ザギトワ(ロシア)

3Lz+3Lo<< 2A< 3S< 2A /3Lz<+3T< 3F<+2T+2Lo 3F


いやー、近年稀に見る回転不足祭りでした😥

滑る前から表情が浮かないのが気になりましたがまさかこうなるとは…

直前の6分間練習で重点的に確認していた2Aで転倒してしまいました。その際太ももも怪我してしまったらしくその後はキツそうでしたね。それでもスピン・ステップは確実にレベル4を取ってくるあたり意地を感じました。

もともとメンタルが強い選手ではないので今回の結果を引きずらないといいのですが…。


点数は125.63とかなり低いものになってしまいました。まぁ今回ばかりは仕方ないです。

世界選手権代表に選ばれるには最低でもロシア選手権で2位以上が必要になるでしょう。1位なら確実ですが、2位ならギリギリどうかといったところです。昨季の世界女王がここまで崖っぷちになってしまうなんて😨

とりあえずは一刻も早く怪我を治してもらいたいところです。希望はまだ0ではないのでなんとか持ち直していい結果出せるよう祈ってます🙏🏻



終結

1位 アリョーナ・コストルナヤ(ロシア) 247.59

2位 アンナ・シェルバコワ(ロシア)240.92

3位 アレクサンドラ・トゥルソワ(ロシア)233.18

4位 紀平梨花(日本) 216.47

5位 ブレイディ・テネル(アメリカ)212.18

6位 アリーナ・ザギトワ(ロシア)205.23


トゥルソワ優勝という下馬評を覆してコストルナヤが勝ちました。昨季のJGPFと全く同じ展開ですね。

233点で3位とかいう訳の分からない世界に来てしまいました。世界選手権の頃には240ないと表彰台に乗れないなんてことが十分有り得ます。

240点なんて全盛期かつ絶好調のメドベージェワがギリギリ出せる銀河点のはずだったのに…笑

正直今季シニアに上がってきたロシア三人娘に唯一対抗できるのは紀平のみです。ノーミスで決めてなんとか戦えるレベルなので厳しい展開にはなりますが…。本人にはあまりプレッシャーを感じずに演技してもらいたいのですが、メディアがそれを許しません😇

世界選手権に向けて各選手どこまで仕上げてくるのか楽しみです!